岐阜にある白川郷の合掌造り集落が代表的な観光地です。
冬のライトアップは幻想的で、まるで別世界に迷い込んだような気分に。
飛騨牛や郡上踊り、伝統工芸なども人気ですが、実は繊維業のまちとしての歴史も深いのが岐阜のもう一つの顔です。
かつて全国に名を馳せた岐阜のアパレル業界は、今まさに変革の時を迎えています。
一世を風靡した「岐阜アパレル」ですが、大量生産から小ロット・多品種へと時代は大きくシフト。
ECとの共存、受注生産型の導入、SNSを活用した販路開拓など、新たな挑戦を続けています。
岐阜のアパレル業界が抱える問題とは
かつて“アパレルの聖地”とまで言われた岐阜ですが、現在は課題も山積み。
最も大きな問題は、後継者不足と職人の高齢化。
技術はあっても、それを引き継ぐ若い人材がなかなか育たないのが現実です。
また、アパレル全体が抱える「低価格競争」の波にのまれ、利益率の低下も深刻。
海外製品との価格競争で押され、長年培ってきた「質の高さ」が伝わりにくくなっている側面もあります。
さらに、地場企業のデジタル化が遅れていることも課題です。
アパレルの過剰在庫はどうしてる
アパレル業界の悩みの種、それが“過剰在庫”。
岐阜のアパレル企業も例外ではなく、特に中小企業ほど在庫リスクが経営を圧迫しています。
では、過剰在庫はどうしているのか。
近年では「アウトレット販売」「ネットオークション」「リサイクル業者への卸し」といった方法が一般的になっています。
また、地域イベントやフリーマーケットでの直販、サンプルセールとして社員や地域住民に販売するケースも。
中には、アップサイクル事業に取り組む企業もあり、売れ残りを再加工してバッグや小物に生まれ変わらせるなど、在庫削減とブランド価値の維持を両立しています。
アパレル業界の環境への取り組みとは
アパレル業界は、実は環境への負荷が高い産業の一つ。
だからこそ今、岐阜でも“サステナブルファッション”への取り組みが進みつつあります。
たとえば、環境に配慮したオーガニックコットンの使用や、植物由来の染料を使った製品づくりが増えてきました。
岐阜市内の一部企業では、染色工程で使用する水のリサイクル技術を導入するなど、地球にもやさしい製造体制を整えつつあります。
また、リメイクやリユースにも力を入れるブランドも登場しており、“新しく作る”のではなく“今あるものを活かす”という視点が定着しつつあります。